
有限会社ディーアンドエーミュージック様
CMや音楽関連の映像制作を手掛けるポストプロダクション。
日々大容量の映像データを扱い、社内外の多くの関係者と迅速かつセキュアなデータ共有が求められる。
■ 導入のポイント
- 社内外データ共有を効率化し、生産性を向上
- 頻発したアップロードトラブルによる機会損失を解消
- 業界標準のセキュリティと、制作現場が求める利便性を両立

お話を伺った方々

取締役

営業部

営業部
有限会社ディーアンドエーミュージック(以下、D&Aミュージック)様は、CMや音楽関連の映像制作を手掛けるポストプロダクションです。常に高品質なクリエイティブを追求する同社にとって、制作現場のコラボレーションを支えるファイル共有基盤は、事業の生命線とも言えます。頻発するトラブルと非効率な共有フローという課題を解決すべく、クラウドストレージ『Box』の導入を決断した皆様に、20年来のパートナーであるレスターとの関係も含めてお話をうかがいました。(文中、敬称略)
❚ 事業継続の危機感から生まれた、ストレージ改革
「元々、2、3年前から使っていたクラウドストレージを変えたいという話はありました。ただ、具体的に何に変えようか、これだというものがなく進んでいたんです」。そんな中、Box導入のきっかけとなる事件が起こる。
「現場の不満が、ついに限界に達したんです。アップロードできないとか、そういう現象が頻発して。半日ぐらいアップロードできなかったり、アップロードしたまま完了せずにカーソルがくるくる回り続けたり。それが週に何度も起きる。サポートに電話しても繋がらない。もうダメだろうと、速攻で変えよう、という話になりました」
納期が迫る中データがアップロードできないジレンマは、事業継続への危機感へと繋がった。さらに、過去のストレージ利用経験の中には、ユーザビリティや信頼性における課題も根深く存在した。
「以前使っていたGoogle Driveは、フォルダをダウンロードするのがすごく不便で。ファイル数が多いと複数のZIPに分割されてしまい、解凍すると中にまたZIPがあって…と、収集がつかなくなる。それを整理する時間もなかなかなくて」。

また、容量に関する苦い経験も、今回の選定に大きな影響を与えていた。「以前、容量無制限だったプランが突然有料化され、期日までに全データをダウンロードするよう通達が来たんです。到底間に合わず、最終的にデータの半分くらいを捨てることになりました。この経験から、容量を気にせず使えることは絶対条件でした」
❚ セキュリティ、速度、容量。制作現場の要求を満たしたBox
ストレージ選定にあたり、同社はいくつかの条件を掲げた。「リンクの有効期限設定やダウンロード回数制限といったセキュリティ要件は必須でした。ただ、それを満たすものはなかなかなくて」。Boxはそれらの条件を満たす数少ない候補だったという。
「Boxは、セキュリティ要件が非常に厳しいCM系クライアントと、柔軟な運用を求める音楽系クライアント、両方のニーズに対応できる。それに、周りを見ていてもBoxを使っているクライアントが多い印象でした。実際にクライアントとのやり取りで使う機会もあり、アップロードやダウンロードのスピードが速くて良いな、と感じていたのも大きいです」
❚ 最後の決め手は、20年来のパートナーシップ
数ある候補の中からBoxに絞り込み、いよいよ代理店の選定へ。複数の代理店がリストアップされる中、最終的な決め手となったのは、長年の信頼関係とビジネスの実績だった。
「代理店のリストを調べていたら、他の候補もあって。でも、最後までスクロールしたら、20年来お付き合いのあるレスターさんの名前を見つけたんです。長年の付き合いと実績を知っているからこその安心感が、最終的な決め手になりましたね」
スタジオ設立当初からネットワークや設備の構築を依頼してきたレスターへの信頼が、今回の重要なITインフラ投資を後押しした形だ。

❚ 個人商店からチームへ。オープンな情報共有がコラボレーションを加速
導入後、特に現場から評価の声が上がったのが、スマートフォンアプリの使いやすさだ。「一番いいのがスマホアプリ。外出先でもアクセスできて、ファイルがアップロードされているか、映像の字幕はどうか、すぐにチェックできる。WebブラウザでIDとパスワードを入れて…という手間がなく、スマホ一つで完結できるのは、本当に重宝しています」
情報共有のあり方も劇的に変化した。「以前は個人個人でクローズドな箱(個人のスペース)を持って使っていて、全員が同じものを見れる環境ではなかったんです。ファイルを共有するにも、いちいちリンクを発行して送っていました」。Box導入後は全員がアクセスできる共有フォルダが情報共有の中心に。「『このフォルダにあげたんで、取りに行ってね』の一言で済むので、時短はできているのかな、と思います」。
「Boxを使っているクライアントが多いので、連携が本当にスムーズになりました。クライアントから共有されたデータを、そのまま社内の共有フォルダに移動して作業指示を出す、といった柔軟な使い方ができるのは大きなメリットです」
また、導入時のレクチャーによって、権限設定への理解が深まったことも、今後の活用に向けた大きな収穫だったと語る。「正直、資料だけガサッともらっていても、多分読んでいないと思います。直接説明してもらえたことで、しっかり頭に入りました」
❚ ハードウェア商社から、ビジネス全体を相談できるパートナーへ
「元々、レスターさんは放送設備などハードウェアの商社というイメージでした」。今回のBox導入を機に、ソフトウェアやシステム面でも頼れるパートナーとしての認識が生まれたという。「こういうことまで面倒見てくれるとは思っていなかった、というのが正直なところです。今後はAI導入など、ハードだけでなくビジネスの仕組み全体に関わる相談も増えてくるはず。我々が今まで手をつけてこなかった領域も、相談できるという発見がありました」。
顧客のニーズが「モノ」から「仕組み」へと変化する中で、同社もまた、VTRやカメラといった機材の提供だけでなく、AIや通信プラットフォームといった「仕組み」の構築が求められるようになっている。今回のBox導入は、そうした変化に対応していく上での、重要な一歩となったようだ。

❚ ファイル共有の先に描く、新たなビジネスモデル
さらに、Boxの活用はファイル共有に留まらない。「今ってファイル便の延長みたいな使い方ですが、例えば納品ベースで課金するような、新しいビジネスモデルにBoxを活用できないかと考えています」。
「元々、物理的にテープをコピーして納品していた時代は、モノが動くので確実に課金できました。でもデータ納品だと、誰がいつダウンロードしたか分からず、課金が難しい。そこをBoxの機能で明確に管理できれば、ビジネスが広がるかもしれません」
Boxを単なるツールとしてでなく、事業成長の基盤として捉える視線が印象的だった。レスターとしても、そうした新たな挑戦をサポートしていく構えだ。
❚ コンテンツクラウド「Box」とは
Boxは、単なるファイル保管・共有にとどまらず、コンテンツの作成から承認、電子サイン、公開、保存に至るまで、一連のライフサイクルを管理できるクラウドプラットフォームです。特にメディア・エンターテインテインメント業界では、大容量の動画ファイルや機密性の高い契約書、制作アセットなどをセキュアかつ効率的に扱うための機能が充実。Adobe Creative Cloudをはじめとする1,500以上のアプリケーションと連携し、制作ワークフローを分断させることなく、シームレスなコラボレーションを実現します。
レスター 担当者からのコメント
この度は、貴社の重要なファイル共有基盤としてBoxをご採用いただき、誠にありがとうございます。お問い合わせから約2週間という短期間でご契約に至ったのも、貴社の中で課題感が明確であったことに加え、20年来のパートナーシップで培われた信頼関係の賜物と、大変光栄に感じております。
今後も、単なる製品提供にとどまらず、「情報プラットフォーマー」として、お客様のビジネスに寄り添い、様々な観点から課題解決のご支援ができるよう努めてまいります。引き続き、ご支援させていただけますと幸いです。
❚ 更新履歴
2025/07/22